三八豪雪、五六豪雪
三八豪雪の概要
1963年(昭和38年)という年は異常気象の連続だったと言われています。1月から2月にかけては異常な低気圧と寒波に見舞われ、一世紀ぶりの集中豪雨となり、気象庁ではこの豪雪を「昭和三十八年一月豪雪」(以下三八豪雪とする。)と命名しました。

 この大雪による被害は以下の通りです。

被害状況
死者
31名
重傷者
16名
軽傷者
28名
罹災世帯
16,409世帯
全壊
73世帯
半壊
125世帯
一部破損
13,384世帯
床上浸水
304世帯
床下浸水
2,523世帯
 上表は、昭和38年3月5日現在で福井県豪雪非常対策本部が調べた資料をもとにまとめたもので、人的被害では、死者が31人にのぼり、越前海岸の高波による事故、勝山市横倉と足羽郡美山村(現在の美山町)の雪崩のほか、各地で雪崩や行き倒れの事故が相次いで発生しました。

 三八豪雪の特徴は、長期的な降雪による積雪量の多さにあり、国鉄・私鉄等のダイヤの乱れが起きるなど、日常生活の基盤にも支障をきたしました。

福井県における各地の最深積雪量
38豪雪のデータベースのページへ
五六豪雪の概要

 五六豪雪では1980年(昭和55年)12月26日から30日、1981年(昭和56年)1月3日から7日、同10日から15日の3回にわたって強い降雪期がありました。積雪量のピークは県内各地ともに1月15日前後だったと言われています。

 この大雪による各地の被害は以下の通りです。

市町村
死者
負傷者
家屋全壊 家屋半壊 一部破損
福井市
5
39
39
7
28
敦賀市
1
14
20
11
133
武生市
1
1
17
4
70
小浜市
 
1
1
3
5
大野市
2
18
26
4
 
勝山市
1
7
32
12
200
鯖江市
3
16
34
29
134
美山町
 
2
6
2
3
松岡町
   
2
2
 
永平寺町
   
7
2
32
上志比村
   
13
3
82
和泉村
 
2
2
2
22
三国町
         
芦原町
   
1
   
金津町
   
1
 
1
丸岡町
   
2
   
春江町
   
2
2
66
坂井町
   
1
   
今立町
   
14
11
23
池田町
 
2
7
1
28
南条町
   
5
   
今庄町
 
4
3
 
6
河野村
       
1
朝日町
 
4
6
7
90
宮崎村
   
3
 
1
越前町
   
2
1
4
越廼村
       
4
織田町
 
4
5
6
56
清水町
   
9
1
29
三方町
1
1
2
1
 
美浜町
   
3
 
7
上中町
   
1
 
14
名田庄村
       
2
高浜町
     
1
2
大飯町
         
県   計
14
115
266
112
1,043
福井県における各地の最深積雪量
 左表は昭和56年2月13日現在で、福井県雪害対策本部が調べた資料をもとにまとめたもので、比較的広範囲に被害が及んでいることが分かります。降り始めからわずか4日間で県内の積雪量は勝山市北谷町で280cmを超えたのをはじめ、大野市で197cm、平野部の福井市でも117cmの積雪となるなど県全体がすっぽりと雪に覆われ、「三八豪雪」以来の大雪となりました。3度にわたる寒波の流入により、1月5日には福井市の1日の積雪量が福井地方気象台開設以来63年ぶりの記録となる73cmとなり、大雪警報は合わせて10回も発令されました。

 五六豪雪の特徴は、「三八豪雪」の時のように長期にわたって日本海側の各地に雪を降らせるのではなく、短期間にかつ、降雪が福井県に集中したことが挙げられます。これは、北極圏上空で発生した寒気団が三波数型と呼ばれる大規模な寒気団であったことと、日本列島付近の気圧配置の影響が合わさって、日本上空の寒気団を例年以上に南下させたために発生したと言われています。

参考文献:豪雪を記録する, 福井新聞社, 1981
トップページへ 56豪雪のデータベースのページへ