家の中での地震対策

 日頃から次のようなことに備えることで被害を最小限におさえたり、二次災害を防止することができます。
■石油ストーブは自動消火装置付きにする
 過去の地震時の火災の主な出火原因の1つに石油ストーブがあり、その多くは旧式で自動消火装置はついていなかったとのことです。大地震の際にはとっさに消化するのは難しいことです。
■家具を固定する
 これまでの地震でも家具の下敷きになって多くの人が亡くなっています。このため、家具をきちんと固定しておく必要があります。転倒防止には家具の前部に入れるくさび形に傾斜のついた薄版や、柱やかもい、壁などに家具を固定するL字型金具や帯金、さらに家具と天井との間に入れるI字型のつっかい棒などがあります。ピアノは脚の車輪に車輪止めや転倒防止具などをつけて固定します。
■棚やたんすの上に重いものを置かない
 棚やたんすの上の本や雑誌などの重いものは、震度5の地震でほとんど落ちてしまいます。特に乳幼児にとっては紙でできた洋服箱ですら危険なので注意が必要です。
■美術品や照明器具の補強
 美術品の額縁やかたい飾り物、天井につるした照明器具などは落下、転倒しないように補強し、また落下しても危険のない場所に移します。つるした照明器具はひもかチェーンで固定します。また、カバーごと天井にじかにつけられたものが安全です。
■ガラスの危険を防ぐ
 窓ガラスや食器棚などのガラス破損防止のために、ガラス飛散防止フィルムやテープを貼ります。食器や酒の瓶なども壊れて散らばると危険なので、床に降ろして木箱などに入れて動かないように固定しておきます。
■冷蔵庫を固定し、火元周りを不燃焼化する
 冷蔵庫は上部にL字型金具を金属用接着剤で接着し、壁側を釘で固定します。台所の火元周りの壁は不燃焼性素材にし、上に棚などを付けるのはやめましょう。
■美術品や照明器具の補強
 カーテンはストーブの火などが着火しやすいので、防炎加工のものかガラス繊維のものにし、洗濯したらその都度防炎加工をしてもらいます。壁紙も火の周りを防ぐために不燃焼性のものにしましょう。
■たこ足配線をしない
 電気器具などのたこ足配線はショートして出火の原因になり、過熱して出火する危険性もあります。普段使用しているものでも使用するとき以外はプラグを抜いておく習慣をつけましょう。
■安全な場所を確保しておく
 地震の時に、とっさに身を守るための場所を決めておきます。柱の側の壁際や固定した家具の横、落下物のないところがよいでしょう。
■階段には滑り止めと手すり棒をつける
 階段は普段でも滑りやすくて危険ですが、地震の時はさらに危険なので、滑り止めや手すり棒をつけましょう。
■避難の出入り口を確保しておく
 大地震のとき、安全に避難するため家の中にあらかじめ2ヶ所以上の逃げ道をつくっておきましょう。普段からそこには障害物を置かないように心がけましょう。
参考文献:地震災害 防災の手引き,小学館,1995
防災のてびき 目次へ