T 南海トラフ地震についてお聞きします.
問1 近い将来,南海トラフを震源とする南海地震や東南海地震の発生が危惧されていることをご存じですか.
問2 文部科学省地震調査研究推進本部による南海トラフ地震の発生可能性の長期評価の結果をご存じですか.
問3 内閣府中央防災会議による南海トラフ地震による被害想定の結果をご存じですか.
問4 地域住民に対してこの南海トラフ地震に関する情報を提供していますか.
U 被災地への支援体制の現状についてお聞きします.
問5 他の自治体で地震被害が発生した場合,その被災地に対して支援活動を行う体制は整備されていますか.
問6 問5で「はい」とお答えになった方にお聞きします.
(1)いつ頃整備されましたか.
(2)対象となる自治体はどこですか.
(4)支援活動のためのマニュアルはありますか.
(5)支援活動の内容は何ですか.
(6)支援活動は自発的に行いますか.
問7 問5で「いいえ」とお答えになった方にお聞きします.支援体制が整備されていない理由は何ですか.
問8 特に南海トラフ地震を対象として他府県の被災地に対して支援活動を行う体制は整備されていますか.
問9 問8で「はい」とお答えになった方にお聞きします.
(1)いつ頃整備されましたか.
(2)対象となる自治体はどこですか.
(4)支援活動のためのマニュアルはありますか.
(5)支援活動の内容は何ですか.
(6)支援活動は自発的に行いますか.
問10 問8で「いいえ」とお答えになった方にお聞きします.支援体制が整備されていない理由は何ですか.
V あなたの自治体が被災していないという仮定のもと,南海トラフ地震における被災地への支援体制の内容についてお聞きします.問8で「はい」とお答えになった方は現在定められている内容を,「いいえ」とお答えになった方は現在のご自身のお考えをお答え願います.
問11 被災地との通信手段として主に何を利用しますか.
問12 もしも問11の通信手段が利用できなくなった場合,主に何を利用しますか.
問13 被災地への物資または人員の移送手段として主に何を利用しますか.
問14 もしも問13の移送手段が利用できなくなった場合,主に何を利用しますか.
問15 ボランティア(被災地ではなくあなたの地域に所属する方々)との連携は行いますか.
問16 問15で「はい」とお答えになった方にお聞きします.どのような活動において連携を行いますか.
問17 医療機関(被災地ではなくあなたの地域に所属する病院)との連携は行いますか.
問18 問17で「はい」とお答えになった方にお聞きします.どのような活動において連携を行いますか.
問19 住居を失った被災住民を一時的に収容できる施設はありますか.
問20 問19で「はい」とお答えになった方にお聞きします.どのような施設に何人くらいの被災者を収容できますか.
問21 支援活動の内容として優先するとしたらどちらを選択しますか.
問22 問21に関連して,被災地に対する支援活動の内容として何を準備していますか.又は何が必要と考えられますか.
W 災害時のための物資の備蓄状況についてお聞きします.
問23 現在備蓄している物資は何ですか.
問24 問23に示した物資を他の都道府県で発生した災害に対する救援物資として利用できますか.
問25 問24で「いいえ」とお答えになった方にお聞きします.その理由は何ですか.
問26 現在の備蓄物資の品目と量はどの様な基準で決めていますか.
問27〜33 表-1に示す
本アンケートの回収率は2004年9月現在で,京都府北部が42%,福井県が46%,石川県が34%,全体では40%でした.
南海トラフ地震の発生については知っている自治体の方が多数でした.しかし,文部科学省の長期予測や内閣府の被害想定の結果については知らない自治体が半数近くあり,よく知っている自治体は少数でした.また,地域住民に対する情報提供に至っては,9割を超える自治体が行っていないという結果になりました.これらのことから,南海トラフ地震に対する非被災自治体の関心は少し低いように感じました.
他の自治体で地震被害が発生した場合の被災地に対する支援体制については,6割を超える自治体で整備されていました.最も整備されていたのは福井県であり,京都府は南部地域が被災する可能性があるにも関わら
表-1 各市町村の物資備蓄状況
ず最も整備されていないという結果になりました.南海トラフ地震に限定した場合の被災地に対する支援体制については,整備されていない自治体は9割を超え,ここでも南海トラフ地震に対する非被災自治体の意識は低いように感じました.
南海トラフ地震が発生した場合の被災地との主な通信手段については,ほとんどの自治体が固定電話,携帯電話を考えていたようです.これらの通信手段が利用できない際の代替手段としては,衛星携帯電話の利用や,現地へ調査団を派遣すると回答した自治体が多数ありました.また,被災地への物資及び人的支援の移送手段として,最も多くの自治体が考えていたのは一般道路であり,続いて高速道路,鉄道,空路,海路の順でした.兵庫県南部地震でその重要性が指摘されたボランティアとの連携については,行うと回答した自治体は半数程度でした.また,医療機関との連携を行うか否かについても,行うと回答した自治体は半数程度に留まりました.現在,災害拠点病院が指定される等,医療機関同士の協力体制が高まりつつあります.しかし,医療機関だけのネットワークには限界があり,南海トラフ地震の際には広範囲かつ強力なネットワークが望まれています.そういった中で,自治体と医療機関との相互協力も今後検討していく必要があるのではないかと考えられます.
各自治体が保有する災害時の物資に関しては,最も多くの自治体が備蓄しているのは防寒具で,続いて米・穀類,飲料水,簡易トイレでした.一方で,医薬品,衣料品,日用品を備蓄している自治体は非常に少ないように感じました.なお,これらの物資を他の自治体が被災した際に提供できるかについて質問したところ,8割以上の自治体が支援物資として利用可能であることが分かりました.今回の調査では医薬品の備蓄が非常に少ないことが分かりましたが,これは保管や取り扱いが難しく,免許を要する場合がある等の理由によるものと考えられます.しかし,南海トラフ地震では非常に多くの需要が予測されており,今後は医薬品の備蓄についても自治体において検討すべき内容であると考えられます.