実験実習U(環境・衛生工学)2013年度

実験指導書 表紙  評価法 過去調査参考

10/15 日野川(万代橋)水質判定結果

写真 4527 4528 4529 4530 4531 4532 4533 4534


10/22 日野川(南条大橋)水質判定結果

写真4535 4536 4537 4538 4539 4540 4541 4542 4543 4544 4545 4546 4547 4548 4549 4550 4551 4552 4553 4554 4555 4556 4557 4558 4559 4560 4561 4562 4563 4564 4565 4566 4567 4568 4569 4570 4571

考察:10/15および10/22に日野川において実施した底生無脊椎動物による水質判定結果について考察する。10/15に調査お行った日野川万代橋上流地点(調査地点A)および10/22に調査を実施した南条大橋上流地点(調査地点B)のいずれも、汚濁指数(サプロビ値)のo.s(きれい)がそれぞれ71.6%および63.6%と高く、いずれも「きれいな水」と判定された。いずれの地点も写真に示すように、、9月13日に発生し、9月16日6時に965hPaを記録し、同日8時前に愛知県豊橋市付近に上陸した台風18号の爪痕が残されており、河川の形態も夏までとは大きく変化していた。採取場所は地点Aが水深5cm程度の早瀬で、可児藤吉の分類(*1 下記注釈)ではBb型であった。また地点BはAaBb型であった。地点Bでは左岸側の旧霞堤付近の護岸が大きくえぐられており、その水勢が右岸側の河川公園に向かって護岸をえぐっていた。(4570)調査地点はこの中間地点(歩道橋下)であり、左岸側から右岸側に急勾配となっており、一部滝のように流向に対して直角に滝のように流れていた。(4548)底生動物相は1ヶ月間で復元されていた。A地点では砂礫の表面にコカゲロウが多く見られた。また、きれいな水の指標であるカワゲラも確認された。その他小型のシマトビケラ類も確認された。B地点では大山カワゲラが多数確認され、清冽な水であった。また、出現種も多く見られた。河床の安定性を示すヒゲナガカワトビケラも生息し、洪水時も河床は比較的安定であったことが伺い知れた。また、その他の生物として「アカザ(4556)」を確認できた。絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト)で、これまでも地点Bで確認されている。また、ナベブタムシが確認された。今庄から南条で確認されている。渓流に住み砂底や岩底に多く見られることから、洪水後に地点Bがやや渓流化したことがわかった。


*1)河川形態型と
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%AF%E5%85%90%E8%97%A4%E5%90%89

河川における上流、中流、下流の形態を特徴的に示すことによって河川そのものの保護や維持、生息する生態系の保護に広く利用されている方法。以下の組み合わせによって河川の形態を分類する。A型にはa型が、B型にはb型またはc型が対応する特徴を持ち、Aa型、Bb型、Bc型にして表すことによって上流、中流、下流の典型的な特徴を示す。また、これらの各型の移行型はAaBb型、BbBc型と表現することができる。
(1)一つの蛇行区間における瀬と淵の出現形態とその数
 A型:多くの瀬と淵が交互に連続して出現し、上流に多く見られる型。
 B型:瀬と淵が一つずつだけ出現し、中〜下流に多く見られる型。
(2)瀬から淵への流れ込み方による分類
 a型:滝のように激しく流れ込む型で上流に多い。
 b型:比較的静かに流れ込むが水面が波立つ型で中流に多い。
 c型:静かに流れ込み水面は殆ど波立たない型で下流に多い。


一般に、上流:Aa型(山地渓流型)→ AaBb移行型(中間渓流型)→ 中流:Bb型(中流型)→ BbBc移行型(中下流型)→ 下流:Bc型(下流型)である。


*2)アカザ

分類

界 : 動物界 Animalia
門 : 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
綱 : 条鰭綱 Actinopterygii
目 : ナマズ目 Siluriformes
科 : アカザ科 Amblycipitidae
属 : アカザ属 Liobagrus
種 : アカザ L. reini

学名:Liobagrus reini
Hilgendorf, 1878

和名:アカザ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AB%E3%82%B6_(%E9%AD%9A)

アカザ(赤刺、Liobagrus reini) はナマズ目アカザ科の魚。胸鰭と背鰭に鋭い棘条があり、その棘条に刺されると痛いことからつけられたアカザスが転訛してこの名になったとされている。他には、アカネコ、アカナマズの名がある。日本固有種で、秋田県、宮城県以南の本州と四国、九州に分布する。

1 特徴
あまり大型化せず、全長は10cmほどになる。体色は、やや赤色がかるが地域変異が大きい。同じナマズ目のギギやギバチに似るが、他種と比べて頭部が小さく側線が胸鰭の後ろ近辺までしかないという違いがある。口ひげは上顎に2対、下顎に2対の計8本である。胸鰭に1本ずつ、背鰭に1本の刺条を持つ。刺条には毒腺があり、刺されると痛む。背鰭の後部には脂鰭があるがその基底は長く、後端で尾鰭と連結する。尾鰭の後縁は丸く扇形になる。
2生態[編集]
水のきれいな川に生息する。岩場の隙間などに隠れることが多く、夜間や水の濁った時に活動し、主に水生昆虫を捕食する。卵はゼリー状の物質に守られ、ひとかたまりに産み付けられる。
3保全状態評価[編集]
絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト)
Status jenv VU.png
[1]河川改修や砂礫の採取による環境改変、農薬の河川流出にともなう水生昆虫類の減少等により、生息地が縮小し個体数が減少している。

4脚注
1. 環境省生物多様性センター 絶滅危惧種情報検索 アカザ