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- 大和(だいわ)デパート
福井地震当時の様子 2016年撮影時の様子
撮影地点 福井県福井市毛矢1丁目付近
撮影方向 北側から撮影
参考文献 よみがえる福井震災
当時の様子で左方向に大きく傾斜している建物が大和デパートです。1937年に建設され1945年の空襲でビル内部が丸焼けになり、その後修復工事がなされましたが、福井地震により無惨にも崩壊しました。大和デパートの崩壊にはこの修復工事が不十分であったことが原因だとされています。当時、福井市内には約47の鉄筋コンクリート建物が存在しましたが、大きな被害を受けた建物のうちの1つがこの大和デパートで、地震直後には多くの研究者の注目を浴びました。この写真は、現地にいた進駐軍の将校、ジェームス・原谷氏が撮影した大変貴重な写真であり、左側にある3階建ての坂井ビルは地震による被害はほとんどなく、当時の様子に見えるように、震災を経ても今なお利用されている貴重な建物(中央三井信託銀行)の1つです。また、大和デパート跡地には北陸銀行が建っています。
- 福井城跡
福井地震当時の様子 2016年撮影時の様子
撮影地点 福井県福井市大手3丁目付近
撮影方向 西側から撮影
参考文献 よみがえる福井震災
これは福井城址南側の内堀とそこに架かる橋を撮影したもので、城址内には福井県庁の建物がありました。当時の様子を見てみると、右側の法面が堀の方向に滑り出し、大きな亀裂が何本も走っている様子がうかがえます。2016年撮影時の様子では今も城址内には福井県庁が存在しています。
- セーレン旧本館(福井製錬株式会社)
福井地震当時の様子 2017年撮影時の様子
撮影地点 福井県福井市毛矢1丁目付近
撮影方向 南側から撮影
参考文献 昭和23年 福井地震 震害調査報告 建築部門
セーレン旧本館は、昭和12(1937)年に竣工された鉄筋コンクリート造4階建ての建物で、建設当時は福井市にあったもっとも堅牢な鉄筋コンクリート造と言われました。戦災・震災と二度の大災害に耐え、戦前の繊維産業の姿を今に残す貴重な建物です。二階を正面入り口とする玄関や、そこから左右に伸び、やや勾配のある車寄せスロープが特徴的であり、皇族の行啓の折に休憩場所として使われた三階応接室は、モダンで落ち着いた印象を与える造りです。施工が良く、地震による被害は全くありませんでした。
- 福井放送局
福井地震当時の様子 2017年撮影時の様子
撮影地点 福井県福井市宝永3丁目
撮影方向 南側から撮影
参考文献 昭和23年 福井地震 震害調査報告 建築部門
当時はテレビではなくてラジオ局のみで、コンクリート造りの建物でした。
- 福井市役所
福井地震当時の様子 2017年撮影時の様子
撮影地点 福井県福井市大手3丁目付近
撮影方向 南側から撮影
参考文献 昭和23年 福井地震 震害調査報告 建築部門
地震による被害は主に正面玄関車寄、中央塔屋は曲げによる亀裂、4階講堂妻壁は曲げ破壊を生じて、壁体上部に最大1.2mの傾斜が発生しました。
- 人絹(じんけん)会館
福井地震当時の様子 2017年撮影時の様子
撮影地点 福井県福井市順化1丁目
撮影方向 南西方向から撮影
参考文献 昭和23年 福井地震 震害調査報告 建築部門
西側階は壁体との間に亀裂が生じています。また、2階改築後の間仕切りは煉瓦造であったので、大きな亀裂が生じています。その他の火災によって被覆コンクリートの剥落が起きています。これは熱温度による影響か、施工が悪かったためだと考えられます。
- 人絹(じんけん)会館通り
福井地震当時の様子 2016年撮影時の様子
撮影地点 福井県福井市順化1丁目付近
撮影方向 南側から撮影
参考文献 よみがえる福井震災
当時の様子で左側に写っているのが人絹会館で、燃え盛る炎の中を走る米兵の姿が写されています。また、写真右側に写る大衆館では当時大人気の「愛染かつら」が上映されていました。2016年撮影時も写真右側に映画館が存在しています。
- 松竹座劇場(しょうちくざげきじょう)
福井地震当時の様子 2016年撮影時の様子
撮影地点 福井県福井市中央1丁目付近
撮影方向 東側から撮影
参考文献 よみがえる福井震災
これは松竹座前の通りを撮影したものです。この周辺は震災後の火災の火元と言われており、この劇場も即座に焼き尽くされてしまいました。隣接する道路の高さよりも建物が沈下している様子が見られます。今現在、その劇場はなくなり、テナントビルが建っています。向かい側にはデパートができ、道幅も以前より狭くなっています。
- 丸岡城
福井地震当時の様子 2016年撮影時の様子
撮影地点 坂井市丸岡町霞町1丁目付近
撮影方向 東側から撮影
参考文献 お天守がとんだ
これは東側から見た丸岡城の惨状です。石垣の崩壊が地震の凄まじさを物語っており、町のシンボルともいえる丸岡城の崩壊は、震災に遭遇した多くの人々に衝撃を与えました。町では、城の柱や瓦などをそのまま保管し、復興計画を実行、震災から7年後に完成し、現在に受け継がれています。
・橋梁
- 九頭竜川鉄橋
福井地震当時の様子 2016年撮影時の様子
撮影地点 福井県福井市舟橋町~福井県福井市稲多元町
撮影方向 北側から撮影
参考文献 よみがえる福井震災
これは、九頭竜川に架かる、旧国鉄北陸本線九頭竜川鉄橋の写真で、橋桁が湾曲し、完全に倒壊している様子と水浴びをする親子が写っています。現在ではアーチ形式の道路橋となっています。
- 板垣橋
福井地震当時の様子 2016年撮影時の様子
撮影地点 福井県福井市板垣区
撮影方向 東側から撮影
参考文献 よみがえる福井震災
これは福井城址南東の足羽川に架る板垣橋で、当時の板垣橋は橋長156m、幅員4.5m、構造形式は13径間単純桁で桁と橋脚は全て鉄筋コンクリート製でした。崩壊の仕方が中角橋とよく似ており、橋桁のほとんどが落橋しています。現在の橋は昭和57年度完成のもので、橋長160m、幅員13mとなっています。
- 中角歩道橋(かなつのほどうきょう)
福井地震当時の様子 2016年撮影時の様子
撮影地点 福井県福井市中角地区
撮影方向 北側から撮影
参考文献 よみがえる福井震災
この中角橋は福井市と芦原町を結ぶ幹線道路で、九頭竜川に架かる重要な橋です。構造形式は13径間単純合成桁で、桁は鉄製、床板は鉄筋コンクリート、13本の橋脚はコンクリート製でした。橋桁の落橋の主な原因は、橋脚の基礎部分の安定が不十分だった点だといわれています。2009年に中角歩道橋として新しく建設されました。
この写真は、GHQが撮影した当時の空中写真と、UAVを用いて撮影した写真を合成したものです。合成したことによって、周りの土地の利用方法に変化が見られないこと、中角歩道橋の横に新しく天池橋という道路橋ができたということが分かりました。
- 五松橋
福井地震当時の様子 2017年撮影時の様子
撮影地点 福井県吉田郡永平寺町
撮影方向 南から撮影
参考文献 昭和23年 福井地震 震害調査報告 土木部門
右岸のアンカーブロックが約20㎝ほど川岸に変移しました。これが補剛トラスの上弦材座屈の主な原因になったものと考えられます。
- 長屋(ながや)橋
福井地震当時の様子 2017年撮影時の様子
撮影地点 福井県坂井市坂井町長屋
撮影方向 南東から撮影
参考文献 昭和23年 福井地震 震害調査報告 土木部門
この長屋橋は被害のあった橋梁のなかで最も震央に近い橋梁の1つです。橋脚は鉄筋コンクリートでできていますが、完全なラーメンコーナーとしての構造となっていないため、振動により損傷を生じて、コンクリートの大剥脱が生じました。
- 長畝(ながうね)橋
福井地震当時の様子 2017年撮影時の様子
撮影地点 福井県坂井市丸岡町長畝
撮影方向 南側から撮影
参考文献 昭和23年 福井地震 震害調査報告 土木部門
この長畝橋は昭和23年に新しく作られた橋ですが、橋脚の基礎として旧橋のコンクリート橋脚上に杉丸太の橋脚を継ぎ足した構造で、橋脚が低く、筋違い材を用いることができませんでした。そのことが地震に対して弱点となり、致命的被害を受けたのだと考えられます。
- 潮屋大橋
福井地震当時の様子 2017年撮影時の様子
撮影地点 石川県加賀市塩屋町
撮影方向 南から撮影
参考文献 昭和23年 福井地震 震害調査報告 土木部門
橋脚は全般的に左岸寄に傾斜し、全般的に沈下の傾向があります。特に右岸より第2橋脚は約25㎝の沈下がありました。
左岸橋台で施工目地に沿い、水平亀裂が入っています。右岸橋台親柱受台沈下し、親柱が傾斜しています。
- 瀬越(せごえ)橋
福井地震当時の様子 2017年撮影時の様子
撮影地点 石川県加賀市大聖寺瀬越町
撮影方向 南から撮影
参考文献 昭和23年 福井地震 震害調査報告 土木部門
この瀬越橋は塩屋大橋によく似た形式の橋梁で、被害状況もよく似ています。この橋は右岸瀬越村の小河の砂丘が滑って川に押し出され、橋台が押され、主桁に座屈現象が現れています。
- 木呂場(ころば)橋
福井地震当時の様子 2017年撮影時の様子
撮影地点 石川県野々市市若松町
撮影方向 西側から撮影
参考文献 昭和23年 福井地震 震害調査報告 土木部門
この橋は、基礎板に幅15㎝の亀裂が入り、脚柱の天端から1mのところに圧壊が生じ、鉄筋が露出しています。
・駅
- 森田駅
福井地震当時の様子 2017年撮影時の様子
撮影地点 福井県福井市栄町
撮影方向 北から撮影
参考文献 昭和23年 福井地震 震害調査報告 建築部門
駅の本屋は完全に崩壊して、線路班詰所も支柱で僅かに倒壊を防ぐ程度で、官舎も全壊しました。比較的面積の小さい便所、貨物一時置上家待合所等が僅かに全壊を免れています。
- 春江駅
福井地震当時の様子 2017年撮影時の様子
撮影地点 福井県坂井市春江町
撮影方向 南から撮影
参考文献 昭和23年 福井地震 震害調査報告 建築部門
駅の本屋、貨物上家が共に根軸部を残して崩壊しました。森田駅と同様に、便所、物置、浴場等の小さい面積のものが僅かに全壊を免れています。
- 丸岡駅
福井地震当時の様子 2017年撮影時の様子
撮影地点 福井県坂井市坂井町上新庄
撮影方向 南から撮影
参考文献 昭和23年 福井地震 震害調査報告 建築部門
駅の本屋は南西方向線路側に傾斜倒壊して、乗降場上屋は完全に線路上に転倒しています。線路班詰所は母屋と軒桁が折れて、完全に倒壊しています。僅かに旅客便所が残っており、震源地に最も近い駅ということで、被害はとても大きなものになっています。
- 細呂木駅
福井地震当時の様子 2017年撮影時の様子
撮影地点 福井県あわら市青ノ木
撮影方向 西から撮影
参考文献 昭和23年 福井地震 震害調査報告 建築部門
駅の本屋は崩壊し、線路班、除雪人の休憩所も完全に倒壊しました。乗降場も猛烈な被害状況になっています。大部分全壊した事は他の駅と同様ですが、リーバー上家、井戸上家、燈室、物置小屋等は残っていました。