Fire Damage 1

 

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火災による森林機能の低下過程の把握に関する研究

     A fire damage monioring using remote sensing data

 

岐阜林野火災の概要

200245日午後,岐阜県岐阜市芥見4丁目から同各務原市須衛町1丁目にかけて林野火災が発生した.この地域では,同年330日以降まとまった雨がなく,火災前日には1950年に観測を始めてから最も低い,最低湿度6%を記録していた.岐阜市側から発生した火は,異常乾燥と折からの強風に煽られて非常に速い勢いで燃え広がり,隣接の各務原市まで含め,およそ510ha(災害対策本部調べ)もの山林を焼失するという,国内における林野火災としては稀に見る大規模な被害をもたらした.

 

林野火災がもたらす被害および研究の背景

この火災による被害としては,地域住民や森林所有者等の人間活動に対する被害のほか,近年の社会問題である動植物等の生態系や,大気・水環境等への被害等を挙げることができる.

 

筆者らはこれまでに,岐阜県を対象としてリモートセンシングデータを用いたヒートアイランド現象の把握方法についての検討を行った.局所的に島状の高温域が現れるヒートアイランド現象を考えた場合,近隣地域の大規模な山林の焼失が気温上昇に与える影響は甚大である.本研究で取り上げる岐阜林野火災のように500haを超える緑被面積の損失は,気温上昇に限らず,治山・砂防の観点からも大きな問題を生じさせる.

 

山林伐採とは異なり,林野焼失の場合は林床が燃えた時点で焼失とする場合と,立ち木が灰になった状態で焼失とするかの違いが出る場合がある.治山や砂防などの目的によってこの違いがあるのはむしろ当然といえるが,明確な焼失程度の定義が示されなければ,事後の混乱を招く恐れも指摘できる.

 

研究の目的

以上より本研究では,衛星データの利用を想定した焼失程度の設定とその評価を行い,この程度に応じた被災図の作成を目的とする.

 

客観的に焼失の程度と衛星データとの関係が理解されることで,事後の時系列での回復(再生)過程のモニタリングも容易になる.

 

 

 

 

 

 


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