Slope Failure 1

 

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山腹斜面の災害の把握方法に関する研究

     A slope failure monitoring using remote sensing data

 

東海豪雨の被害

2000年9月11日から12日にかけて名古屋市を中心とした東海地方が台風14号の影響により活発化した停滞前線による集中的な豪雨に見舞われ,2日間の積算降水量は多いところで595mmに上った。矢作川上流域山間部の岐阜県恵那郡上矢作町,愛知県北設楽郡稲武町では,多数の山腹崩壊や土石流が発生したことが報告されている。

 

研究の背景

実際の被災場面で災害地点を把握するには,現在のところ航空写真やヘリコプターによるVTRからの判読によるのが一般的である。これらの方法は,確実性は高いものの費用面,判読に要する時間,図面の処理が煩雑となること等の問題点も指摘できる。

 

筆者らは,これまでにLANDSAT TMデータ等の低分解能IRデータを用いて斜面崩壊地点の形状・形態・面積を推定する手法を検討してきた。この中で,斜面の災害によって土砂と緑被が混在する過程をモデル化し,1画素以上の崩壊については比較的精度の高い結果を得た。また,この研究の過程で,誘因が異なっていても損傷のある山腹に被害が重なる場合の被害予測に衛星画像が利用できることを示した。

 

しかし,低分解能データを使用する場合,広域に分布する崩壊地点を一括して調査するには有効であるものの,植生と土砂の反射強度が混在するミクセルを対象とするため,小規模な崩壊箇所,谷に沿って流下するような細長い崩壊に関しては検出が極めて困難であった。IKONOSに代表される高分解能衛星画像を用いる場合は,植生と土砂の境界はほぼ明確に区分され,小規模な崩壊地点を精度良く検出することが可能であり,航空写真と比較しても遜色ない主題図が作成できると考えられる。

 

研究の目的

本研究では,山腹に生じる滑動の崩壊形態を呈する場合と谷に生じる流動(土石流)とでは,崩壊形状が異なることに着目して,高分解能衛星画像を用いた土砂災害地点の検出手法を検討した。

 

特に谷に生じる流動(土石流)の崩壊形態の場合,地形の傾斜や周辺の樹木と崩壊域との高低差による陰影部の処理が重要である。すなわち,陰影部の存在は,崩壊域を過少に評価する上,本来一崩壊として処理すべき大規模な崩壊を陰影部で寸断してしまう等の問題を生じさせる。そこで,明らかに崩壊域として抽出される領域から陰影部を推定する領域生成手法について検討した。

 

本研究では,2000年9月に発生した東海豪雨による土砂災害の検出をケーススタディーとし,高分解能衛星画像にはIKONOSパンシャープン・トゥルーカラー画像(以下,IKONOSデータで略記する)を用いた。

 

 

 

 

 


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